PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは、排卵障害をはじめ様々な病態を持った不妊因子です。

当院に来院される方の中にも、PCOSの症状を持った方は来院されています。

まず医療機関できちんと検査し治療をしていくことが大事で、妊娠するためには、良い卵を排卵させることがポイントになります。

 

~主な症状~

 

〇生理不順

〇生理の周期が35日以上

〇基礎体温が一相性

〇にきび

〇のぼせ、ほてり

〇肥満

〇不妊

〇毛深い

 

卵巣にはもともとたくさんの卵細胞があり、毎月1つずつ成長し、包んでいる袋(卵胞)が約2センチほどになると破裂して排卵します。

PCOSではこの卵胞が卵巣の中にできるにも関わらず、成長して破裂しないため、たくさんの卵胞が卵巣の壁にくっついて厚くなってしまいます。

PCOSの原因には様々な説があり、未だにはっきりとは解明されていません。

しかし現在のところ、ホルモンバランスの乱れや糖代謝の異常が原因と考えられています。

 

初潮から間もなくは、生理周期などが一定しないのは通常ですが、じきに安定してくるものです。

 

しかし最近では、高校生から20代の方まで、若くしてホルモンバランスを崩してしまう方が多くいらっしゃいます。そのホルモンバランスを崩すきっかけとなっているのがストレスと食生活です。

 

卵巣に指令を送る脳の信号が強いストレスによって阻害され、ホルモンバランスが乱されたり、またPCOSの方に肥満の方が多いことから、高たんぱく・高脂肪・高カロリーの食生活も一因であるという見方もあります。特にBMI(体重÷〔身長m×身長〕)25以上の方は注意が必要とされています。

黄体化ホルモン(LH)の分泌が多いのが特徴で、ホルモン検査と超音波検査によって診断されます。

超音波で卵巣をみると10㎜くらいの同じような大きさの卵胞がたくさんできて卵巣の外側に一列に並び、なかなかそれ以上大きくならないことが特徴で、ネックレスサインと呼ばれます。

ちなみに体質が遺伝し、母親がPCOSだとその娘たちも、ということがよくあります。

ということは、PCOSでも妊娠できることが多いということですので、もし診断を受けても悲観しないでくださいね!

PCOSと診断されても、排卵があれば妊娠は可能です。ただやはりバランスが崩れている状態なので、バランスを整える=体質改善をする必要があります。

膵臓から分泌されるホルモンのインシュリン(糖尿病と深いかかわりがあるホルモンです)とも関係があり、PCOSの方は将来糖尿病になりやすい傾向があるようなので尚更、体質改善をして、健康維持に努めていただければ、と思います。

ご自分でも、食事(量・質)を見直していただき、改善していただくようにお願いします。

PCOSの症状や病態は多様ですが、生理痛や激しい身体症状はないというのが定説です。ところが実際に来院されるPCOSの方は、様々な不快要素を訴える方が多いです。

多くの方が訴える症状が、肩こりや腰痛、足の冷え、むくみ、頭痛、胃腸の不快感などです。こうした症状を無くすための施術は結果として、多嚢胞性卵巣症候群の症状を改善することに繋がるようです。
 

肩こりや腰痛の特長は、激痛ではないのですが、非常に不愉快で症状が中々改善しないのが特徴です。

また、気候や季節の変化を受けやすいことが多いようです。

こうした症状は、東洋医学的な「湿痰」という概念と近いように思います。「湿痰」は、現代医学的には、滞った水分や油(脂)、糖、血液などが含まれます。こうした栄養成分は、上手く循環していると必要なものですが、量が多すぎたり滞ったりすると、身体にとって良くない働きをします。

PCOSの場合も、多すぎる体脂肪により、過剰のレプチン分泌が問題であったり、血糖値の上昇が問題であったりしますので、やはり湿痰とPCOSは共通項があるようです。

【PCOSの鍼灸治療】

PCOSの鍼灸治療は不快症状の治療と、湿痰の解消を目的に「質の良い卵胞を育て、排卵のチャンスを確実に次のステップへ進める確率を高める」という考え方で治療を行います。鍼灸治療を数周期続けていると、病院での薬が効きやすくなったり、採卵の成績が良くなるケースが多いです。

病院の治療に鍼灸を加えることで、妊娠の確率が上がると感じています。

 

大事な大事な心と体、将来のために今、ホルモンバランスを整える生活を始めませんか?