~子宮頸管から出る頸管粘液に異常があるため、不妊の原因になることがあります~

子宮腔と膣をつなぐ長さ2~3cmの筒状の管を子宮頸管といい、このトンネルの壁からは、月経周期のサイクルで頸管粘液が分泌されています。

通常は細菌が子宮に入るのを防ぐ役割をする粘液ですが、排卵前になると量が多くなり、ちょうど卵の白身のような状態になって精子にとっては快適な環境になります。

頸管粘液がよく分泌された状態になっている排卵前に性交があると、射精された精子がこの頸管粘液の中に蓄えられ、そこから順次卵管の方へと精子が送り出されるといわれています。

排卵日当日の性交より、排卵日前の性交の方が妊娠しやすいというのはこのためです。

そして排卵が終わると頸管粘液は固く粘り気がなくなり、排卵から二日経つともう精子はその中に入っていけなくなります。

~頸管粘液の異常と治療法~

排卵日頃に性交をして、その数時間後~数日後に頸管粘液を採り、その中で精子が動いているかどうかを調べるのがヒューナーテストです。

このヒューナーテストを何回しても頸管粘液の中に精子がほとんどいない人がいて、原因としては頸管粘液に異常がある、抗精子抗体がある、性交がうまくできていないという三つのケースが考えられます。

頸管粘液の異常としては、頸管粘液の酸性度が高い、頸管粘液が固い、頸管粘液の量が少ないといった症状がありますが、その多くは原因が分かりません。

原因がはっきりしているものの一つは排卵誘発剤の副作用です。

クロミフェンを用いて排卵誘発を行うと、そのうち15%ほどの人では頸管粘液の量が少なくなります。

この場合には別の誘発法を用いる必要があります。

その他、早期ガンの手術で子宮頸部の円錐切除するため、頸管粘液がほとんど出なくなることがあります。

頸管粘液を改善する治療法として卵胞ホルモン剤を用いることもありますが、ほとんど効果はありません。

せっかく射精された精子が子宮頸管でブロックされてしまい子宮腔に入れないのですから、子宮頸管をバイパスして、子宮腔まで直接精子を送り込む人工授精(AIH)が最も有効な治療法となります。