身体的な問題や精神的な理由で性行為ができない状態をいいます~

セックスに障害があって妊娠できないことを性交障害といい、身体的な理由から性行為ができない場合と、精神的な理由で無理な場合とがあります。

また男性、女性ともそれぞれ問題が生じる場合があります。

~女性側に問題があるケース~

女性の膣は普段閉じられていますが、性行為中、男性の性器が挿入される段階では、膣の周囲の筋肉や組織は柔らかく広がることができるようになります。

しかし膣の内腔がとても狭く広がらない「膣狭窄」、膣の粘膜が固くて広がらない「膣強靭」、処女膜が固く破れない「処女膜強靭」などが原因となって、性交ができないことがあります。

これらは内診でわかり、膣形成手術や処女膜切開手術を受けて治療します。

また性交痛の原因としては、子宮内膜症、骨盤内の癒着などのほか、分娩時の傷痕や膣内の炎症、外陰部の外傷などもあげられます。

病院で診察を受け、痛みの原因をはっきりさせ治療するようにしましょう。

膣の滑りを良くする潤滑剤が効果的なこともあります。

精神的な問題があり性行為ができないケースもあります。

過去に虐待や痴漢、また無理な性行為を強要されたりして、セックスに対して嫌悪感やマイナスイメージが先にたってしまうことがあります。

また膣への挿入に対しての恐怖感や、体に自信が持てないことなどからくる過度な羞恥心で、なかなか開放的になれない人もいます。

こうした症状を総称してFSD(女性性機能障害)ということもあります。

これらの場合はカウンセリングを受け、心の問題を解決することが必要です。

場合によっては不安を除く薬や膣の滑りを良くする潤滑剤などを使いながら治療することもありますので、パートナーの理解と協力が必要になります。

~男性側に問題があるケース~

男性の場合も精神的、肉体的理由から「勃起しない」「射精しない」「性欲がわかない」などの問題が起こる場合があります。

ED(勃起障害)とは性交時に十分なだけの勃起が得られない、あるいは十分な勃起が維持できないために満足な性交を行うことができない状態をいいます。

これは陰茎の勃起に必要な血管、神経、ホルモンなどに何らかのトラブルが生じていると考えられます。

その原因として身体的、あるいは心理的な二つの要因があります。

身体的要因では、高血圧、動脈硬化、腎臓病、糖尿病などの内科的な病気が関係していることがあり、まずはこれらの病気を治療することによって改善を図ります。

また心理的要因では、極度な緊張、過度なストレス、女性からの抑圧、過去の失敗経験など、自分でも意識しない問題が影響していることがあります。

これはカウンセリングで根本的な原因を取り去ると共に、バイアグラやレビトラ、シアリスといった治療薬を使い効果をみます。

~増えている射精障害~

性交中勃起はするものの、射精ができない状態を射精障害といい、最近非常に多くなっています。

例えばタイミング指導などで「この日に性交をするように」と指示されると、緊張により射精できなくなるというのもそうです。

男性は非常にデリケートだということを、女性も理解してあげてください。

射精障害のほとんどは、マスターベーションでは射精できます。

ペニスがマスターベーションの強い刺激に慣れて、膣では快感を得にくくなっている場合もあります。

妊娠するための治療としては、身体的、精神的、男性側要因、女性側要因、どの場合にも人工授精が非常に有効となります。

薬やカウンセリングで改善がみられない場合には、人工授精を受けることを考えましょう。