~子宮の形や卵管の詰まり具合をレントゲンを使って観察します~

卵管は通っているか、子宮の形に異常はないか、お腹や卵管周囲に癒着はないかをレントゲンで調べる検査が、子宮卵管造影検査です。

子宮腔にカテーテルという細い管を入れて、造影剤(ヨード)を注入し、その造影剤が子宮から卵管を通り、腹腔内(お腹の中)に流れ出す様子をX線で観察します。

子宮腔の形を詳しく確認できるほか、子宮腔内の癒着の有無や卵管の通り具合、卵管の太さ、卵管の出口周囲の癒着なども調べることができ、不妊原因を調べるうえでもっとも役立つ検査の一つです。

もし卵管がきちんと通っていれば、造影剤は卵管采から腹腔内に流れ出します。

逆に卵管が詰まっているとその先の卵管は写らないため、詰まっている部位がわかります。

また造影の数十分後、または1日後に造影剤の腹腔への広がり具合をみるため、もう一度レントゲン撮影を行います。

これにより卵管周囲の癒着の有無がわかります。

油性の造影剤は半年ほどかけてゆっくり体内に吸収されていきますが、特に問題はありません。

~この検査を受けると妊娠しやすくなる人も~

この検査では、造影剤が卵管を通る時に卵管を広げる作用があります。

そのため軽度の卵管の詰まりや癒着がある人にとっては、卵管の通りが良くなるという治療的な効果が期待できます。

この検査が「煙突そうじ」「トンネルそうじ」といわれる由縁です。

検査自体は10分程度で終わりますが、造影剤で子宮が膨らむ時に痛みを伴うことがあります。

特に卵管が狭くなっていたり詰まっていたりする場合には、卵管に造影剤を送り込むために子宮内圧をかなり上げることになり、痛みを強く感じることもあります。

また検査を受ける時に緊張してしまうと、卵管が一時的に狭くなることも。

ネット情報では痛みばかりが強調されることの多い検査なのですが、実際に検査を受けた人の大半は痛みを強くは感じません。

不妊の検査でも最も重要な検査の一つで、治療にも大きな意味をもつものですので、リラックスして検査を受けるようにしましょう。

~より手軽に卵管の詰まりを確認できる検査~

卵管通気検査や卵管通水検査では、子宮腔にカテーテルを入れて二酸化炭素や水を注入し、その注入圧の状態から卵管の通り具合を判定します。

卵管の通りが良ければ、炭酸ガスや水は腹腔内に流れ出るので圧力は一定以上に上がりませんが、詰まっていると圧力が上がります。

卵管造影検査よりも精度が劣りますが、造影剤にアレルギーのある人も受けられます。

また卵管通水検査用の造影剤もありこの造影剤を子宮腔に注入すると、超音波で卵管から造影剤が流れ出るところが確認できます。

私はこの検査のもつ治療的側面が、非常に大切だと思います。

初期に行われることが多い子宮卵管造影ですが、なるべく妊娠しやすいタイミングで行った方が良いのではないかと

例えば基礎体温表や、ホルモン検査などから黄体機能不全を疑われるのであれば、漢方薬や排卵誘発剤、黄体ホルモンなどを用いて黄体機能を改善させ、妊娠可能なコンディションを整えておき、この検査を依頼すればいいのではないでしょうか。

畑と用水路の関係で考えてみましょう。

畑に水を引くことができなければ作物は実りませんが、いくら用水路が整備されても畑が荒れていたのではやはり実りは期待できないでしょう。

まず畑を耕すことが先だと考えます。

またこの検査はタイミングも重要で、妊娠も期待して行う検査ですから、月経の開始日から1週間~10日目がベストタイミングです。

なぜなら、それから4~5日後に排卵があるからです。

造影剤には油性と水性があり、油性の方が検査後の妊娠率が高いといわれています。

また造影後のフォローアップの残像撮影も重要で、造影剤が充分に拡散していない場合には、卵巣や卵管周囲の癒着の可能性があるからです。

もしあなたが不妊治療を受けていて、2~3ヶ月たっても子宮卵管造影が行われず、そういった話題がドクターからも出ないようであれば、別のドクターに相談することも考慮した方がよいと思います。

婦人科の中にはこの検査を行えない医療機関も多くあります。

この検査が不妊治療の中で、とても重要であるということは知っておいて下さい。