【漢方薬】

 
約2000年前に中国で完成された薬で、様々な植物の根、葉、花、皮、また動物や鉱物などを原料としています。
 
症状に合わせて、有効成分を持つこれらの生薬を配合します。
 

小さく刻んだ生薬を煎じて飲む伝統的な方法と、煎じ薬を乾燥させアルミパックで包んだエキス剤とがあります。

~効果はどれくらいででるの?~

個人差がありますが、おおよそ3~6ヵ月で実感できることが多いようです。
 

血液や細胞が作りかえられるのに、それくらいの期間を要するからといわれています。

~費用はどれくらいかかるの?~

保険の適用範囲で処方される漢方エキス剤は、漢方の種類によりますが2週間で800~2000円(保険3割負担の場合)ぐらいです。
 
保険の効かない煎じ薬はかなり高額の場合もありますが、その分個人に合った生薬を選び、配合量も調節してもらえるので、オーダーメイド処方薬といえるでしょう。
 

市販薬に比べると、濃度も高く効果が現れやすい傾向にあるようです。

~副作用はないの?~

漢方薬は全て自然の生薬なので、副作用は起こりにくいと考えられています。

しかし症状が的確に伝わっていなかったり、自己判断で勝手な使用をすれば、危険なケースもあります。
 
また胃腸の弱い人の中には、胃もたれ、吐き気、胸やけ、下痢などを起こす場合があります。
 
このようなケースでは、一般的な食前の服用から食後の服用に変更するように指示されることもあります。
 

その他、気になる症状があった場合は、医師や漢方相談員に相談するようにしましょう。

【不妊に有効な生薬とその効能】

不妊治療で使われる主な生薬を紹介します。
 
個人の症状や体質に合わせて、いくつかの生薬を調合し、オリジナルの漢方薬が作られます。
 

また市販の漢方薬は、これらの生薬をブレンドしたものです。

■当帰(とうき):セリ科カラトウキの根。

血に滋養を与え循環を活性化させ、貧血症、月経不順、更年期障害など、婦人科の要薬として使用します。

■芍薬(しゃくやく):キンポウゲ科、ボタン科シャクヤクまたは近縁種の根。
 
筋の痛みや緊張を緩め、血行不良の腹痛に用います。
 
■せんきゅう:セリ科せんきゅうまたは同属植物の根茎。
 
月経不順、活血作用、鎮痛作用などがあり、血の巡りを良くします。
 
■牡丹皮(ぼたんぴ):キンポウゲ科ボタンの根皮。
 
婦人科疾患、月経不順、月経困難など、停滞する血行障害のあるものに応用します。
 
■丹参(たんじん):シソ科タンジンの根。
 
停滞する血をサラサラにして動かし循環を促進し、また精神を鎮め、イライラをやわらげる効果もあります。
 
■山茱萸(さんしゅゆ):ミズキ科サンシュユの果実・果肉。
 
腎の不調を改善し、頻尿や尿漏れなどにも効果があり、ED(インポテンツ)などにも使われます。
 
■大棗(たいそう):クロウメモドキ科のナツメの果実。
 
血に滋養を与える効果がありますが、他の生薬の薬理作用の衝突をやわらげる働きもあります。
 
■枸杞子(くこし):シナス科クコの果実。
 
滋養強壮剤として肝腎などに効き目があり、性不能症、腰痛、めまい、耳鳴りなどに使われます。
 
■紅花(こうか):キク科ベニバナの花弁。
 
薬膳の素材としても知られる紅花は、血液の流れを改善

月経痛や月経不順などの婦人病に効果的です。

※注意:これらの生薬は、妊娠中には避けるべき生薬と指定されているものもあります。必ず医師の指導のもと、使用するようにしましょう。

【不妊治療でよく使われる漢方一覧】

~女性~

 
○当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)→月経不順・月経痛
 
○桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)→月経痛・不正性器出血・無月経・子宮内膜症など
 
○温経湯(うんけいとう)→月経不順・腹部の冷えなど
 
○加味逍遙散(かみしょうようさん)→イライラ・ストレス・ホルモンバランス調整など
 
○十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)→体力増進・慢性疲労症候群など
 

~男性~

 
○八味地黄丸(はちみじおうがん)→精子減少症など
 

○補中益気湯(ほちゅうえっきとう)→精子無力症など