【子宮鏡検査】

~小型のカメラで直接子宮の内部を観察します~

子宮腔(子宮の内部)を内視鏡で調べる検査です。

小型カメラがついた子宮鏡(ヒステロファイバースコープ)を、膣から子宮の内部に入れて様子を観察します。

子宮鏡の先端は直径が約3~5㎜程度と大変細かいものですが、子宮内の様子をはっきりとモニターに映し出すことができます。

この検査では、子宮腔にできた子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどを見つけたり、子宮奇形や癒着の有無などをチェックしたりします。

小さなポリープであれば、その場で切除して治療してしまうことも可能です。

検査自体は5~10分程度で終了しますが、子宮頸管に子宮鏡を通す時に、少し痛みを伴うこともあります。

子宮鏡検査はいつでもできるわけではなく、排卵前後や排卵期は子宮内膜が厚く出血しやすいため、検査時期には適しません。

一般的には子宮鏡検査を受けるなら「生理終了直後」あるいは「卵胞期」がベストとされています。

不要となった子宮内膜が剝がれ落ち、子宮内を観察しやすい状態だからです。

生理初日を1日目とすると、生理が終わる5日目~10日目あたりが検査を受ける目安です。

生理が始まったらかかりつけの医師に連絡して、予約をすると確実でしょう。

検査後にそのまま仕事へ行くこともできるので、気軽に受けられる検査といえます。

子宮鏡検査は基本的に痛みがなく、麻酔なしでも受けられる検査ではありますが、稀に次のような合併症を引き起こすことがあります。

詳しくは、検査を受ける前に医師に確認しておきましょう。

■子宮穿孔(せんこう)
子宮の中に内視鏡を挿入する際、または検査や処置を行う間に、稀に子宮の壁に穴が開いてしまうことがあります。
出血が少量で、臓器の損傷がない場合は自然治癒を待ちますが、そうでない場合には腹腔鏡手術や開腹手術に切り替え、穴をふさぐ処置をすることもあります。

■出血
子宮内膜や筋層が損傷すると、出血が見られることがあります。
この場合電気凝固を行い止血するか、少量であれば自然に止血します。

■感染症
子宮鏡の操作に伴い、まれに骨盤内感染を起こすことがあります。
子宮鏡検査を行うと、超音波検査では確認できなかった子宮内膜ポリープなど、妊娠を妨げる疾患の発見につながることもあります。
もし何らかの疾患が見つかった場合、治療を行うことで不妊の原因を取り除くことができ、将来的に妊娠しやすくなる可能性もあります。
検査時間が短い割に検査費用はかかりますが、ほかの子宮検査で異常を特定できなかった場合や、不妊の原因がわからなかったりする場合に有効な検査方法として覚えておきましょう。

【腹腔鏡検査】

~子宮や卵巣、卵管などを腹腔鏡で直接観察します~

全身麻酔をかけてへその辺りから小さな内視鏡(腹腔鏡)を腹腔内(骨盤の中)に差し込み、子宮や卵巣、卵管などを直接観察するのが腹腔鏡検査です。

子宮内膜症や腹腔内癒着と診断された人や、原因不明不妊の人に適応されます。

検査では卵管周囲の癒着や子宮内膜症などがあるかどうかを直接目で確認します。

さらに青い色素を子宮内に注入し、卵管の先から色素が流れ出てくる様子を見て、卵管がきちんと通っているかどうかも観察します。

もし異常が見つかった場合、例えば卵管や卵巣などの軽い癒着なら、腹腔内に入れた器具で剥がせますし、子宮内膜症の病巣を焼灼したりと、その場で処置もできます。

検査中は全身麻酔をするので痛みはなく、出血や術後の痛みも軽度ですし、傷跡も数㎜程度です。

日帰りで検査を行うところもありますが、全身麻酔をすることもあり、検査後2、3日は無理せず過ごすことが必要です。

【メリット】

○子宮や卵管、卵巣の状態を直接見て確認できる

○検査後に妊娠しやすくなることがある

○異常が見つかった場合、内容によってはその場で処置できる

【デメリット】

○全身麻酔をしなくてはならない

○稀に血管や腸に傷がつくことがある

○検査費用が高い