~ホルモンの状態を知る、血液検査がファーストステップ~

西洋医学の病院での不妊治療が検査結果に基づくのはもちろんですが、東洋医学でのケアでも、検査数値を参考に治療を行っていきます。

ただ病院によっては必要な検査をしないままに、タイミング法の指導などをされるだけで終わってしまう場合があるので、注意が必要です。

時間を無駄にしないためにも、早い段階で検査が受けられるように病院側へ働きかけるか、必要にな検査をしてくれる病院を選びましょう。

必ず受けてほしい検査は次の4つです。

①FSH、LH、E2(ホルモン数値の検査)

血液検査でホルモンの数値を測るのは不妊治療の基本になります。

生理周期の三日目に行われることからD3(DAY3)検査とも呼ばれ病院によって多少項目が変わりますが、以下の数値を調べます。

●FSH(卵胞刺激ホルモン)…卵胞の発育を促す

●LH(黄体形成ホルモン)…成熟した卵子の排卵を促す

●E2(エストラジオール)…子宮内膜を厚くする作用をもつ。LHサージを促す

卵巣の機能が低下し、卵胞のホルモン感受性が弱くなるとFSHの数値が高くなります。

LHは卵胞がしっかり育ってきたら、排卵を起こさせるホルモンです。

本来FSHやE2と連動して、体にとって最適な時期に大量に放出されるはずですが、この連動が上手くいかないと未熟な卵子や老化した卵子が排卵されてしまい、妊娠しにくくなります。

②AMH(残りの卵子の数がわかる検査)

AMHはここ数年で「残りの卵子の数がわかるテスト」として有名になりました。

抗ミュラー管ホルモンという発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンを測るテストで、卵巣内にどれくらいの数の卵子が残っているかを推測します。

卵巣内の卵子の数は生れた時に決まっているので、一度減ってしまうと対質を変えても増やすことはできません。

この検査で閉経までの残された時間を推測できます。

つまり、二人以上の赤ちゃんを望む場合は、受精卵の凍結を検討するなど、治療方針を決める目安にもなります。

AMHの検査は治療方針を決める大事な検査ですが、どこの病院でも受けられるわけではありません。

これから病院を選ぶ人は、AMHを受けられるかどうかも基準にするといいでしょう。

③フーナーテスト

フーナーテストは性交渉の後の子宮頸管粘液の中にある精子の状態を調べる検査です。

検査の12時間前ほど前から病院に行く直前までに性交渉をして、子宮頸管から粘液をとって顕微鏡で調べます。

ここで精子が確認できないと、男性の精子に問題があるか、女性が抗精子抗体を持っていることが疑われるので、次の検査に進みます。

フーナーテストの結果が不良だと、いくらタイミング法を試しても妊娠は難しく、人工受精か体外受精をしなければいけないので、早めに調べておきたいものです。

④子宮卵管造影、卵管通水検査

子宮の入り口から造影剤を流し、レントゲンで子宮の形や卵管の通りなどを調べる検査です。

痛い検査と思っている人も多いですが、最近では造影剤の刺激が少ないため、異常がなければあまり痛くないはずです。

卵管の通りが少し悪いくらいであれば、この検査で詰まりが取れるという効果もあり、検査してしばらくは妊娠しやすくなるといわれています。

両方の卵管が閉塞している場合は、タイミング法はもちろん、人工受精も上手くいかないので、不妊治療のごく初期に取り組んでほしい検査なのですが、婦人科の中には子宮卵管造影の設備がなく、なかなか検査が行われない場合が少なくありません。

そうなると大切な妊娠のタイミングを逃してしまうので、その場合は代わりとして、卵管通水検査を希望してみましょう。

こちらは大掛かりな設備は必要ないので、多くのクリニックで導入されています。

最初の病院選びの時に、子宮卵管造影検査や卵管通水検査をいつ受けられるかを確認するといいでしょう。

不妊治療の流れは大きく、タイミング法→人工受精→体外受精となっていますが、この順番でステップアップしていくことが最善なわけではありません。

フーナーテストの結果が良好な場合、精子が子宮内に入れているということなので、人工受精は不要なステップの可能性があります(ただし精子の異常の可能性があったり、子宮頸管粘液が膣内にとどまらないなどの症状がある場合は、人工授精が検討されます)。

妊娠のリミットを考えると、不必要なステップは飛ばして、治療を進めていただきたいと思います。