【血流を良くして卵子に栄養を送る】
~大切な卵胞に栄養を届けるために~
食事の陰陽バランスが良く、消化機能に問題がなくても卵子に力がなくなる原因はまだあります。
それは血流障害です。
人間の体の中で、血液は栄養や酸素や温度(体温)を運ぶための重要な役割を果たしています。
そのため血液は毛細血管を通って、ものすごい勢いで体の末端や臓器の隅々まで送られます。
血液の中には、白血球や血小板など、体に必要なものがたくさん流れています。
ところが、血管の内側が滑らかならば血液は順調に流れるのですが、血管の中にささくれのようなギザギザがあると、そこに血液中の物質が引っ掛かります。
少しなら問題ないのですが、ささくれが大きいと次々に色んなものが引っ掛かって塊になり、ある時にそれがポロンと取れて毛細血管に詰まってしまう、これが血流障害の理由の一つです。
また別の理由で血流障害が起こることもあります。
自律神経が乱れて交感神経優位な状態が続くと、体が緊張し血管が収縮します。
血管が収縮すると、血液の通り道が細くなってしまうのです。
こういった血流障害があると、その周りの細胞は栄養がもらえず死んでしまいます。
これが卵巣で起こるとどうなるのでしょうか?
卵子は卵巣の中で、卵胞と呼ばれる袋の中に入っています。
卵胞は卵子を育てるゆりかごのようなものです。
卵巣の血流が良く酸素や栄養が豊富な状態ならば、卵胞の中も栄養で満たされて、良質な卵子が成長します。
ところが卵巣や卵子に酸素や栄養が供給されないと、卵胞が栄養不足になってしまい、卵子に力がなくなってしまうのです。
卵子の質の低下で一番深刻なのは、実は血流障害です。
なぜなら食事の改善や消化吸収機能の向上よりも、改善に時間がかかるからです。
~血流障害には鍼灸を~
鍼灸は今から2000年以上も前に古代中国で生まれた治療法です。
鍼や灸を使って自身のもつ免疫力を高めるというもので、その効果は様々なケースで認められています。
人間の体には数多くのツボがあります。
そのツボに鍼を打ったりお灸をすることで、刺激を与え血流の流れをよくしたり、免疫力を高めたり体調不良を改善するのが鍼灸治療です。
そのメカニズムはまだ解明されていない部分も多いのですが、もたらされる効果については近年WHOでも認められ、世界各国で取り入れられるようになりました。
鍼治療と灸治療の違いをご存知ですか?
「鍼灸治療」とまとめて使われることが多いので、同じものだと考えている方も多いかもしれませんが、鍼治療と灸治療は全く違います。
鍼治療では髪の毛ほどの細い鍼をツボに打つことで刺激を与え、自己の免疫機能を強化したり、痛みを鎮めることができます。
また自律神経に働きかけてその乱れを整える効果もあると言われています。
一方、灸治療ではヨモギの葉から作られた「もぐさ」を使って熱による刺激を与えます。
血流をよくする効果があり、造血作用が促進されたり、免疫物質を血液内に分泌されたりすると言われています。
不妊のメカニズムについては、詳しく解明されていない部分もあるのですが、不妊となる原因の1つに、ストレスや生活リズムの乱れが影響していると言われています。
不規則な生活を送ったり、過度なストレスを受け続けることでホルモンバランスや自律神経のバランスが乱れ、体調不良を起こし、それが不妊の原因の一つとなる事があります。
鍼灸は自律神経に働きかけ、ホルモンバランスを整えることで乱れた体調を整え、原因不明な不妊体質を改善する効果があると言われています。
WHO(世界保健機関)でも、性機能障害・不妊に効果があると認められています。